残業過労死ライン労働時間は?労働基準法の定めは?
過労死ラインを超えていない労働時間働いた後、、急性心不全で死亡した整備担当の男性について、京都下労働基準監督署が労災を認定したという報道がありました。
従来過労死ラインと言われていた残業時間は月平均80時間とされてきました。しかし、今回の判決では過労死ラインのみを重視せず、労働環境もより慎重に考慮する新基準(2021年9月改定)に基づき判断されました。
過労死ライン 新基準とは?
2021年9月に改定された過労死ラインの新基準ポイントは以下の通りです。
■長期間の過重業務の評価に当たり、労働時間と労働時間以外の負荷要因を総合評価して労災認定することを明確化
■長期間の過重業務、短期間の過重業務の労働時間以外の負荷要因を見直し
■短期間の過重業務、異常な出来事の業務と発症との関連性が強いと判断できる場合を明確化
■対象疾病に「重篤な心不全」を追加
(厚生労働省ホームページより)
今では労働時間にある程度重きをおいて判断していました。それが改定によって労働時間と労働時間以外の付加要因を総合評価することになりました。
時間外労働が80時間未満でも労災の可能性
従来のいわゆる「過労死ライン」は、発症前1か月間に100時間または2~6か月間平均で月80時間を超える時間外労働は、発症との関連性は強い、とされていました。
しかし、今回の一件では時間外労働が月平均80時間を下回っているということです。
労働時間以外の環境要因として、深夜帰宅が多く、空調設備のない作業場で温水スチームによる車の洗浄作業もこなしたということも挙げられています。これらを総合的に判断して労災認定したということです。
今後留意すべきこと
今後、労災発生、病気の重篤化を防ぐために、会社や労働者はどのようなことに気を付けるべきでしょうか?
厚生労働省は労災認定の基準について、労働時間に加え付加要因を挙げています。以下は通達より抜粋したものです。
- 拘束時間の長い勤務
- 休日のない連続勤務
- 勤務間インターバルが短い勤務
- 出張の多い業務
- 温度環境
- 騒音
今後はこれらについても適切な管理が求められるようになります。
過労死ライン 新基準 詳細は?
より詳しく知りたい場合は、こちらの通達をお読みください。
全13ページとボリュームはありますが、気を付けるべき点が理解できます。
血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準について(PDFファイル)