基本給の10%を控除 減給制裁上限超え書類送検 

基本給の10%を控除 減給制裁上限超え書類送検 

神奈川・川崎南労働基準監督署(松本進吾署長)は、労働者1人に対し1回の額が平均賃金の1日分の半額を超える減給制裁をしたとして、金属製品製造業の京浜スチール工業㈱(同県川崎市)と同社代表取締役を労働基準法第91条(減給の制裁)違反の疑いで横浜地検川崎支部に書類送検した。同社は1事案に対する制裁として、昨年6~7月分の定期賃金から、各月の基本給の10%に当たる約5万円(計約10万円)を控除していた。(労働新聞)

労働基準法では減給の制裁について、次の通り定めています。

減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の10の1を超えてはならない(労働基準法第91条)

今回の事案では労働基準監督署によると、制裁を科した減給額は令和3年6月分の約5万円だけでこの限度額を超えていたということ。

減給の平均賃金1日分の半額を超えられないということは、制裁としてはそれほど大きな金額にはならないという見方が多くなっています。減給という制裁はある意味わかりやすい制裁ではありますが、金額としては大きくならないことを把握しておく必要がありますね。

10%以上の減給を前提とするならば、出勤停止、降格といった処分が考えられます。ただ、減給以外の制裁も加わりますので慎重に処分を考える必要があります。