カスタマーハラスメントを精神障害の労災認定へ

カスタマーハラスメントを精神障害の労災認定へ

厚生労働省は、業務による心理的負荷評価表に「顧客や取引先、施設利用者等から(著しい)迷惑行為を受けた」というカスタマーハラスメントに関する項目、「感染症等の病気や事故の危険性が高い業務に従事した」という新型コロナウイルス感染症に関する項目を追加する方向で検討を進めている。(労働新聞社)

精神障害の労災認定の基準における出来事の類型「対人関係」の具体的な出来事としてカスタマーハラスメントを追加する方針を固めたということ。

新たに、「顧客や取引先、施設利用者等から(著しい)迷惑行為を受けた」という項目を追加しています。「迷惑行為」の例として、備考欄には「暴行、脅迫、暴言、著しく不当な要求等」を書き込むほか、負荷の強度を「Ⅱ」に設定します。

近年になって過度な謝罪の強要、土下座の強要といった事件など、顧客によるハラスメント、いわゆるカスタマーハラスメントの増加が問題視されています。今回はそのような被害を受けた労働者保護の一環として労災認定の基準に追加されるのでしょう。

ただ、今回は事後の対応の話であり、カスタマーハラスメントの防止には会社の努力が不可欠であることから、いずれは会社に防止措置の義務が定められることが予想されます。法律はともかく、会社としては大事な従業員を守る必要があるのは明白ですから対策を講じることが必要になってくるのではないでしょうか?

厚生労働省ではカスタマーハラスメント対策についてのリーフレットを発行しています。こちらを参考にされると良いでしょう。

カスタマーハラスメント対策に取り組みましょう(厚生労働省)https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/001103778.pdf